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マスタ統合を実現!Salesforceによる名寄せとデータ活用を解説

そのデータ、"宝の山"ですか?それとも"ゴミの山"ですか?DXの成否を分けるマスタ統合の重要性

「データドリブン経営」「DX(デジタルトランスフォーメーション)推進」
現代のビジネスにおいて、データを活用した迅速な意思決定と新たな価値創造は、企業の競争力を左右する最重要課題です。

しかし、多くの企業でその取り組みは「掛け声倒れ」に終わってしまっています。その最大の原因は、AI活用や高度な分析以前の「データ整備」でつまずいているからです。

顧客、商品、取引先といったビジネスの基盤となる「マスタデータ」が、社内の各システムに散在し、矛盾した状態になっていませんか?その状態では、データは経営の意思決定を支える”宝の山”にはならず、むしろ判断を誤らせる”ゴミの山”になりかねません。

この記事では、データドリブン経営のまさに第一歩である「マスタ統合」の重要性から、その核心技術である「名寄せ」、そしてSalesforceを強力なプラットフォームとして活用し、真のデータ活用を実現する具体的な道筋までを分かりやすく解説します。

そもそも「マスタデータ」とは?ビジネスの根幹を支えるデータの種類

まずは基本的な用語を整理し、マスタデータの重要性を確認しましょう。

マスタデータとトランザクションデータの違い

企業が扱うデータは、大きく2種類に分けられます。

トランザクションデータをいくら集めても、それらが紐づくマスタデータが不正確では、正しい分析はできません。すべてのデータ活用の土台、それがマスタデータなのです。

なぜマスタは事業部やシステムごとに散在するのか

では、なぜこの重要なマスタデータが多くの企業で散在してしまうのでしょうか。その背景には、事業の成長過程で生まれる構造的な課題があります。

マスタが未統合の企業が陥る、3つの経営リスク

マスタデータの散在は、単なる「データが汚い」という問題では済みません。それは明確な経営リスクとなってビジネスの成長を阻害します。

リスク1:経営判断の遅延と誤謬

「全社での正確な売上実績は、経理が各部署のデータを集計する月末までわからない」「A事業部とB事業部の両方と取引がある最重要顧客はどこか、即座に把握できない」
このように、データの分断は経営層が見るべき数値をリアルタイムに可視化することを妨げ、市場の変化に対応する意思決定のスピードを著しく低下させます。

リスク2:業務プロセスの非効率化とコスト増大

各システムに同じような顧客情報や商品情報が重複して存在すると、部署間のデータ連携は手作業(Excelでの転記など)に頼らざるを得ません。これは膨大な人件費の無駄であると同時に、転記ミスなどのヒューマンエラーを誘発します。
また、同一顧客に別々の部署からアプローチしてしまうといった非効率な営業・マーケティング活動にも繋がり、無駄なコストを増大させます。

リスク3:DX・データ活用の大きな障壁に

将来的にAIを導入して需要予測を行ったり、BIツールで高度なデータ分析を行ったりすることを目指していても、元となるデータが不正確では意味がありません。コンピュータサイエンスの世界には「Garbage In, Garbage Out(ゴミを入れると、ゴミしか出てこない)」という有名な言葉があります。マスタ統合は、高度なデータ活用やDXを実現するための避けては通れない「土台作り」なのです。

マスタ統合の核心技術「名寄せ」の仕組みと実践方法

この困難なマスタ統合を実現するための具体的な技術的プロセスが「名寄せ」です。

手作業や独自開発の限界

名寄せは、表記ゆれを統一し(クレンジング)、同一の対象を特定し(マッチング)、データを一つに統合する(マージ)プロセスです。これを人力や自社で開発したツールで行うと、膨大なコストと時間がかかるだけでなく、将来的なデータ形式の変更などに対応できない「技術的負債」となるリスクを抱えます。

CRM/SFAを「マスタ」として活用するアプローチ

より実践的なアプローチは、顧客接点の中心となるCRM/SFAを「顧客マスタの置き場所(ハブ)」として定め、そこに情報を集約していく方法です。これにより、単にデータをきれいにするだけでなく、統合されたデータを日々の営業・マーケティング活動に即座に活かすことができます。

顧客データの重複が引き起こす具体的な問題や、「名寄せ」の基本的な考え方については、こちらの記事でより詳しく解説しています。

「顧客データの重複・名寄せ」
について詳しく見る

なぜマスタ統合の基盤にSalesforceが最適なのか

その「顧客マスタのハブ」として、なぜ多くの企業がSalesforceを選ぶのでしょうか。

Salesforceを「顧客マスタのハブ」にするという発想

Salesforceは単なる営業支援ツールではありません。柔軟なデータモデルと豊富なAPIを備え、ERPや基幹システム、MAツールなど、社内外のあらゆるシステムと連携し、顧客に関する情報を集約できる「顧客統合データベース」として機能します。この拡張性の高さこそ、Salesforceがマスタ統合のプラットフォームとして最適な理由です。

標準機能とAppExchangeによる高度な名寄せ・データ連携

Salesforceには標準で強力な重複管理機能が備わっています。さらに、ビジネスアプリのマーケットプレイスである「AppExchange」には、より高度な名寄せやデータクレンジング、システム間連携(ETL/EAI)を専門とするサードパーティ製ツールが豊富に揃っており、これらを組み合わせることで複雑なマスタ統合プロジェクトにも柔軟に対応できます。

まずは顧客マスタから。段階的な全社データ統合の実現

いきなり全社のすべてのマスタを統合するのは現実的ではありません。多くの成功企業は、まずビジネスインパクトの最も大きい「顧客マスタ」をSalesforceで統合し、そこを起点として、契約情報や商品情報などを連携させていくという段階的なアプローチを取っています。

Salesforceによるマスタ統合が、各業界でどのようにビジネスインパクトをもたらしているのか、具体的な事例をご覧ください。

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複雑なマスタ統合こそ、専門パートナーとの協業が成功の鍵

マスタ統合は、企業のデータ戦略の根幹を揺るがす重要なプロジェクトです。そして、その難易度は非常に高いことを認識しなければなりません。

マスタ統合が「自社だけでは難しい」理由

マスタ統合の成功には、単なるITスキルだけでは不十分です。
「どのデータを正とするのか」という業務ルールの策定、各部署の業務プロセスへの深い理解、関係部署を巻き込む利害関係の調整、そして強力なプロジェクト推進力が不可欠です。これらの複雑な要素を乗り越え、プロジェクトを成功に導くのが、専門的な知見を持つ導入支援パートナーの役割です。

パートナー選びで見るべきポイント

パートナーを選ぶ際は、Salesforceの技術力はもちろんのこと、自社の業界知識や、データガバナンスの設計、業務改革のコンサルティング経験が豊富かどうかを見極めることが重要です。

マスタ統合は、企業の未来を左右する重要な経営判断です。しかし、どのパートナーが自社の複雑な状況に最適なのかを見極めるのは簡単ではありません。

当サイト【SUCCESS FOLLOW】では、数多くの認定パートナーの中から、特に複雑なデータ統合や業務改革の実績が豊富で、ユーザーからの評価も高いプロフェッショナル企業を、得意領域ごとに厳選してご紹介しています。

貴社のデータ基盤を構築し、真のデータドリブン経営を実現する最適なパートナー探しに、ぜひお役立てください。

自社に最適な提案をしてくれるのは…?
Salesforce導入支援パートナー3選を今すぐ見る

まとめ

今回の内容を改めて整理します。

散在したデータを整備し、全社共通の「信頼できる唯一のデータ(Single Source of Truth)」を築くこと。それが、貴社のビジネスを次のステージへと押し上げる、確かな一歩となるはずです。

支援実績から得意領域を逆算!
Salesforce導入支援パートナー3選

Salesforce認定コンサルティングパートナーの中で、各社のこれまでの支援実績(業界業種やプロジェクト内容)を調査し、得意領域から3つに切り分けてご紹介しています。

医療・ヘルスケア・保険
業界向け

インフォテック・サービス

Salesforce
公式ユーザーレビュー
★4.91(11)

注目ポイント:
徹底した情報管理と提案

1969年創業当時から大手損保会社である東京海上日動のオペレーション業務やソフトウェア開発に携わり、病院・医薬品といった関連業界の事例が多い。 品質管理・契約関連・カルテなど、ミスが許されない領域の自動化や情報管理に長けた提案が得意。

公式サイトから
サービス詳細を見る

製造・物流・小売
業界向け

ウフル

Salesforce
公式ユーザーレビュー
★4.69(28)

注目ポイント:
丁寧なプロセス分解と効率化

コロナ禍のリモートワークやDXに後れを取った製造業や運送業への支援事例が多く、営業データを始めとする各事業部のデータ連携・統合・利活用や業務効率化ソリューションを数多く提供。また、国内アパレル大手アダストリアへの支援実績もある。

公式サイトから
サービス詳細を見る

IT・通信・コンサル
業界向け

テラスカイ

Salesforce
公式ユーザーレビュー
★4.72(53)

注目ポイント:
先進的な技術を用いた構築

多数の認定資格者だけでなく、Salesforce MVPに選ばれた実力ある技術者を擁する。さらにAWSやSAPを専業とするエンジニアリング会社をグループ傘下に持ち、包括的な支援が可能。freee・LINE・富士通ゼネラル等の大手IT企業の支援実績もある。

公式サイトから
サービス詳細を見る

レビューの数値は、Salesforce AppExchangeのパートナーページの情報を参照しています(2024年9月13日調査時点)。
インフォテック・サービス:https://appexchangejp.salesforce.com/appxConsultingListingDetail?listingId=a0N30000009waRBEAY
ウフル:https://appexchangejp.salesforce.com/appxConsultingListingDetail?listingId=a0N30000003Gs80EAC
テラスカイ:https://appexchangejp.salesforce.com/appxConsultingListingDetail?listingId=a0N30000003I2q0EAC
※ テラスカイのMVP選出参照元:https://trailhead.salesforce.com/mvp/
サポート内容別

Salesforce導入支援
パートナー3選